まるまるこふこふ

数々の次元が崩壊し、全ての生命が塵と化すのを見てきた。私ほどの闇の心の持ち主でも、そこには何の喜びも無かった。

情報処理学会のゲーム情報学の論文を読む

さいです。
ミーハーなので論を文して読み始めました。

情報処理学会で発表された論文は2年以上前の論文は
無料で読めます。最近の論文も、1つ600円ほどで
読むことができます。

言語が日本語かつ研究報告であればそれほどページ数も
多くないので論を文して読みたいみなさまの入門にも
便利です。

今日は2013年〜2009年頃のゲーム情報学の研究報告で
面白いのをちらほら紹介します。

コンピュータ大貧民における手札推定の有効性について
http://id.nii.ac.jp/1001/00092709/

コンピュータゲームの研究では、囲碁や将棋と同じ頻度で
大貧民も 研究対象として取り上げられる。囲碁や将棋が
完全ゲーム (プレイヤー同士が得られる情報が互いに同じ)
である一方、大貧民は不完全ゲーム(相手の手札など
一部得ることのできない情報が存在する。)なので。

機械学習を用いた棋力の調整方法の提案と認知科学的評価
http://id.nii.ac.jp/1001/00092712/

機械学習により将棋AIに「人間らしい」プレイを学習させる。
強いだけのAIではなく、人間がプレイしていて楽しいAIを
目指すアプローチ。

プレイヤの効用を学習し行動選択するチームメイトAIの構成
http://id.nii.ac.jp/1001/00090385/

人間がプレイして楽しいAIとして、上記論文は
敵AIについての論だったが、こちらは味方(チームメイト)を、
RPG形式のゲームを使って論してる。

完全プレイのためのデータベースのサイズの削減
http://id.nii.ac.jp/1001/00080940/

完全ハッシュ関数とウェーブレット木を用いて
どうぶつしょうぎ」の完全プレイのデータベースを
846MB -> 54.8MB に圧縮する。

TCGにおけるシャッフル手法に関する計算機実験を用いた考察
http://id.nii.ac.jp/1001/00073008/

人間の手によるシャッフル方法には、ヒンズーシャッフルや
ファローシャッフル、ディールシャッフルといった方法が
あるが、それらをコンピュータでシミュレートして
ランダム性について実験した論。

強化学習による評価関数の獲得における報酬設定について http://id.nii.ac.jp/1001/00069716/

コンピュータがゲームを行う上で、コンピュータの取る戦略を
どのように評価するかを考えなくてはならない。
教科学習をゲームの評価関数として使用する場合、
その戦略におけるゲーム終了後の局面の勝敗を報酬として
評価し、途中局面の報酬を 0 とするのが一般的だが、
途中局面にも報酬を与えるとどうなるか実験した論。

将棋プログラムの大規模並列実行
http://id.nii.ac.jp/1001/00069710/

コンピュータ将棋プログラムは強力なマルチコアGPUと、
膨大な主記憶装置によって実行されることで、
プロ棋士を破るレベルの強さを実現している。
こうした1台のPCの性能に頼るのではなく、複数台のPCを
クラスタ構築して、演算を行う実験を論した論。
課題として通信遅延及び負荷分散が述べられている。

終わり

アブストラクトと結論だけ読んでてもそれなりに楽しい。