初めての個人ゲーム制作の振り返り
秘封倶楽部の二次創作STG「宇佐見蓮子の大事な約束」を委託中です。
— さい@1日目東ラ-14b (@saigyojiyu) 2016年12月29日
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2016年12月29日のC91冬コミにて、東方Project の二次創作シューティングゲーム 「宇佐見蓮子の大事な約束」を頒布しました。 (DLsite でまだ DL購入できるので、興味ある方はぜひ購入してみてください。)
初めての個人ゲーム制作ということもあり、まずは「エターナらない」ことを目標に制作しました。
「エターナル」(英語の形容詞eternal:永遠の、果てしない)を動詞化させた造語。 ツクラー(ここでは主にPC用のRPGツクールのユーザー)の間で生まれた。 未完の大作「エターナルファンタジー」からとも。参考 作者が諸般の事情によりゲーム製作を途中で放棄すること、またはその状態を表す。
エターナるとは (エターナルとは) [単語記事] - ニコニコ大百科 より引用
ゲーム制作がエターナる原因は、主に以下のものがあります。
- ゲームの構想が大きい
- モチベーションが維持できない
- 制作に当てる時間がない
「宇佐見蓮子の大事な約束」では、これらを避けるために、 以下の方針で制作しました。
- 大きなチャレンジをしない
- モチベーションを折らない仕組み作り
- 制作に必要なタスクを外部に委譲
大きなチャレンジをしない
「宇佐見蓮子の大事な約束」は全5面のいわゆるオーソドックスな縦シューティングゲームであり、 プレイ時間 1時間もかからない程度のボリュームです。
いわゆる超大作になりがちなゲームジャンルや、あるいはプレイ時間の長さを目指すことによる 「作りきれない」を避けています。
また技術的には自分の得意な HTML5 を利用して制作しました。
「宇佐見蓮子の大事な約束」はジャンルとしては、弾幕シューティングゲームであり、 PC向けシューティングゲームであれば、C++ と DirectX を使ったり、あるいは東方弾幕風といった シューティングゲーム制作スクリプトを使うのが一般的です。
ですが、1から学習をしないといけないため、学習にかかる時間が見積もりしづらいことと、 学習に対するモチベーションが続くか不明だったため、自分の得意分野である HTML5 を利用しました。
とはいえ、HTML5 においても GamePad API (ゲームコントローラの入力の取得) や FullScreen API (画面最大化)といった技術的なチャレンジはしていますが、 これらはおおよそ学習や調査の工数が見積もりやすいものです。
なお HTML5 で弾幕シューティングゲームが作れることは toho-like-js が既に存在するのでわかっていました。
モチベーションを折らない仕組み作り
複数人での開発(コアメンバーが自分含めて 2名、加えて外部の方に手伝って頂いております) だったため、 自他のモチベーションを維持するため、以下のことをやっていました。
適切な情報共有
Google Drive を利用し、制作した素材や、あるいは制作において決めたこと、共有したことを全てそこに集めるようにしました。 また現状の進捗がわかるように、ゲームをすぐに遊べる状態にしておきました。 (これは HTML5 で制作していてビルドの概念がないので、ある URL にアクセスすればいつでもすぐ遊べるようにできました。)
意思決定に参加してもらう
文字でのやり取りももちろん、なるべく口頭での相談、進捗擦り合わせを心がけました。
制作に必要なタスクを外部に委譲
主にドット絵やBGMなどを外部の方に制作をお願いさせていただきました。
6ヶ月という短いスパンで制作ができたのは、 1人で全て制作するのではなく、複数人で制作できたからだと思います。
また自分以外の人がゲームに関わることで、完成に対する責任感もできました。
完成版を頒布して良かったこと
当たり前のことですが、自分の作品を色んな方々に遊んでもらうことができました。 Twitterで感想を書いてくださる方もあり、自分だけでは気づかなかったゲームの課題なども知ることができました。
またニコニコ生放送などで実況プレイをしてくださる方もいました。 こちらは、実際にプレイしてくださる方が、ゲーム上のどの場面でどういう反応をするのか知ることができて、 本当に勉強になりました。
課題
「ゲームにおける面白いとは何か?」「その面白いを実現するためには?」といったことへの 考えが足りなかったと思います。
シューティングゲームのなにが面白いのかという理解が足りず、 レベルデザインのミスや、あるいは快適なプレイ感がなかったという反省があります。
また制作の方針としても、そもそものゲームのコンセプト(こういう点が今回のゲームの魅力的なところだ)ということが ボヤケていて、制作が進んでいく中で発生する意思決定にブレがあり、 制作に手戻りを発生させて、人に迷惑をかけたこともありました。
これらの反省を踏まえて、次回作では、このゲームはなにが面白いのかということをきちんと考えた上で コンセプトを決めて、そこをブレさせないことや、あるいは 自分以外の人にもっとたくさんテストプレイしてもらって、 ゲーム上での不快感を潰すことを行おうと思います。
最後に
(「宇佐見蓮子の大事な約束」のいわゆるトゥルーエンドで使用した画像)
ゲーム制作は楽しかったです。複数人で 0 からモノを作っていくことは楽しいです。 そうした楽しさは、自分もそうだし、あるいは今後自分のゲーム制作に関わってくれる人にも感じて頂けるよう努力します。
一方で、ゲームをプレイしてくれたプレイヤーを楽しませるための視点や知識、経験はもっと養っていきたいです。 今後も向上させていけるよう努めます。
作ることを制作者が楽しめて、そして作ったものでプレイヤーが楽しんでくれることが、 個人ゲーム制作の醍醐味だと思います。