まるまるこふこふ

数々の次元が崩壊し、全ての生命が塵と化すのを見てきた。私ほどの闇の心の持ち主でも、そこには何の喜びも無かった。

現代が舞台の作品の時間軸について

アイドルマスターシンデレラガールズをプレイしながら、 僕は当然のように登場キャラクター達と同じ時間軸を生きている、つまり 僕が2012年を生きている時は、彼女達が2012年を生きていて、2013年を生きているときは 同様に2013年を生きていると思い込んでいたのだけれど、 よくよく考えればそうして彼女達と同じ時間軸で生きている保証は一切ない事に気づいた。

アイドルマスターシンデレラガールズはいわゆるサザエさん時空であり、サービス開始から 何年たっても登場キャラクターが年をとらない。アイドルの誕生日を祝う機能があり、 プレイ時間が長いプレイヤーによっては2度目3度目の誕生日にも関わらず、 アイドル側は初めての誕生日としてセリフを言う。

一方、現実世界が春の時にはシンデレラガールズ内でも春のイベントが提供されるように、 季節感に関しては我々の生きる現実世界と同じ時間でサービスが提供されている。

さらに、シンデレラガールズはキャラクターのアイドルとしての成長を描いており、 時折過去の自分と比較した自身の成長を表現したカードが登場する事から、 サザエさん時空ながらも、「過去」という概念が存在する事がうかがえる。

この2点がサザエさん時空でありながらも彼女達の生きる時間軸と私の生きる時間軸が 同じだと錯覚させる要因になっていた。

しかし彼女達が私と同じ2015年を生きている保証は何もない。 私が2015年を生きている一方、彼女達はアイドルマスターシンデレラガールズのサービスが 開始した2011年から2012年の一年間を永遠に繰り返してるのかもしれないし、 2015年に僕がアクセスしたキャラは2013年を生きている一方、2014年にアクセスしたときは 実は2014年に生きているといったように過去から未来へ正常に流れているかも疑わしい。

これが剣と魔法の世界だったりすると、自分が対象の世界と同じ時間軸で生きているなんて 錯覚するわけでもなく、キャラが中世に生きていることがだいたい察せる。 刀が擬人化すればだいたい中世日本だし、艦隊が擬人化すればたぶん近代だ。

舞台が現代というだけで、我々の生きる現代と時間軸が同じ保証はない。 保証はないという事は、二次創作の掟に則って、作品の受け手はその時間軸を 自由に解釈できるということだ。これはアイドルマスターシンデレラガールズに限らず、 舞台が現代の作品全般に言える。

アイドルマスターシンデレラガールズの舞台が2012年の現代であり、 未だにあの世界ではWindowsXPがPCの多数派で、コンプガチャが社会問題化されてて、 福島第一原子力発電所事故で人々が騒いでるのだと解釈すると、また趣を感じる。